雲仙ロープウェイは、3線交走式普通索道と呼ばれるシステムを採用しています。 これは、電車などのレールの役目をする直径50mmのワイヤーロープ(支索)の上にゴンドラ1台の車輪を載せて走らせるもので、 直径22mmのワイヤーロープ(曳索)2本を山頂に設置しているモーターを巻き上げることによりゴンドラを動かします。 この曳索を巻き上げると一方のゴンドラ(山頂に向かって左側のゴンドラを1号、右側を2号と呼称するのが法令で定められており、 雲仙ロープウェイではぎんがです)はあがり、同時に反対側のゴンドラ(きんせい)は下がります。 |
雲仙ロープウェイでは開業以来手動式を採用しており、現在でも長い訓練を経て筆記及び実技からなる社内試験に合格した運転員が
手動で運転しています。すべての操作を運転士が行なう手動運転は、運転中機械設備や運転状況に異常が生じた場合でも迅速に対応でき、
落雷などによる制御盤の故障も少なく、保守作業が安易といったメリットがございます。 雲仙ロープウェイの安全統括管理者(取締役運転技術部長)はその高い技術力から九州索道交通協会の索道技術委員を務めており、 乗客の皆様には安心して絶景をお楽しみいただけます。手動で運転していますので、ゴンドラを揺らす風の強さや重さに影響を与える 乗客数を考慮してスピードやブレーキのタイミングを運転手が計って最速毎秒3.6mの速さでゴンドラを上手に運行しています。 |
開業以来から使用している「三相誘導巻線型電動機」という三菱電機製のモーターです。このモーターは速度制御に優れており、
ロープウェイのような始動、停止を繰り返す重負荷の機器に適しております。モーターの二次側に抵抗が組込まれており、この抵抗を
加速させることによって運転制御を行います。最近はモーターの軽量・小型化が要求される中、雲仙ロープウェイのモーターは大型であり大変丈夫です。 なお、停電やモーターが動かない場合の非常事態に備え、毎秒0.75mで動かすことができる日産社製の52馬力ガソリンエンジンも備え付けており、 非常の場合にはモーターに代わりこれでゴンドラを動かすことができます。 |
支索は電車のレールの役目をするワイヤーロープで、ロープウェイ用として作られた直径50mmのロープです。 この上をゴンドラの車輪が走ります。仁田峠駅から妙見岳駅までの500mの間つなぎ目はなく、約213トンの重さに耐えることができます。 この重さを破断荷重と呼びますが、体重60キロのお客様が3,550人ぶら下がっても大丈夫です。 曳索は山頂のモーターとつながり、モーターに巻き上げられることでゴンドラを引き上げています。直径22mmで約26.8トンの重さに耐えることができます。 平衡索はゴンドラの下側につながっていて、下り方向のゴンドラをスムーズに引き下げる働きをします。直径18mmで約18トンの重さに耐えることができます。 これらロープ類は、常に油を欠かさず点検しておりますが、必要に応じて交換しておりますので安心してご乗車頂けます。 |